
「それにしても、1975年のニューヨークでは、何という野蛮な事態が生起していたのだろうか。その2年後の1977年には、わたくし自身が「ジョン・フォード、または翻える白さの変容」を発表して、日本の批評界に挑戦状をたたきつけたのとほぼ同時期にあたっているが、そのことをもって、合衆国より極東の小さな島国の方がフォード理解については進んでいたなどといいはるつもりはさらさらない。」
「この時期のニューヨークに住むものたちの多くは、「フォードを憎悪する道徳的な義務感」を覚えていたと述べている。
なぜなら、「フォードの作品は、人種差別、軍国主義、家父長制、愛国主義、感傷主義、絵にかいたような古くささ、図式化された困習主義を祝福しているといわれていたからだ」と書かれていた。」
「今なおそうした時代遅れの「道徳的な義務感」に囚われているのが、優れた映画作家と呼ばざるをえない、
クウェンティンタランティーノであることには、触れておかざるをえない。タランティーノは、「自分にとって、アメリカ西部劇のヒーローはジョン・フォードではない。ごく控えめにいっても、このおれは彼を憎悪している」。
ここでのタランティーノは、みずからの若かりし日に流通していた「フォードを憎悪する道徳的義務感」がいまなお有効であるかのように勘違いし、その後のフォードをめぐる批評史的な変遷にも無知のまま、フォード作品をじっくりと見返す機会も持とうとせず、結局のところは古くさい「紋切り型」を口にしているだけなのである。」
by おミズのハルヲ
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- 2022/10/31(月) 12:00:00|
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