
中条省平氏の監修によるマンガ選集、今回は「日常の淵」として、フツーの日常にただよう「想い」とか「生活」とか「味わい」を感じさせる見事な内容となっている。特にオイラがヤラれちまったのが、やっつぱりつげ義春。「チーコ」の何とも言えない「けなげ」な生活が、とっても愛おしい。画も初期の「赤い花」を思わせる丸いタッチで、これは立派に映画の一本も作れる内容だ。
特に白黒時代の成瀬巳喜男の映画みたい。ラストの鳥の絵のシーンは、雪舟が涙でネズミを描いたエピソードを思い出してしまった。「売れないマンガ家だけど、腕は確か」と言う説得力が出て来る。
そしてもうひとり、弟のつげ忠男「或る風景」。
体と心に傷を抱えながら日常を淡々とした気持ちで生きる男の観ている風景が暗く、重い。
ともにラストシーンが似ているけれど、義春の方は明るい未来を予感させ、忠男の方は変わらぬ日常を暗示する。
そして池辺葵の「ねぇ、ママ」。子供を持つ親として、このマンガは心にしみる。人間てえのは延々とこのくり返しで生きて来たんだろーなぁ。そしてこれからも…
by 上野森正太郎
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- 2021/02/01(月) 12:00:00|
- 日記
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