
「私が記者になった東京オリンピックの頃、原稿は電話で送受稿するものだった。うんざりするぐらい長い電話で原稿を受け取ると、記事には何が必要で、何が不要かわかってくるし、漢字を自然に覚える。ダンカイの世代を「段階」と書くようなミスはなかった。電話の時代からファックスの時代になっても、原稿はあくまで、手で書くものだった。しかしワープロ、パソコンの登場で様相が一変した。
手で書くものから、キーボードで打つものになったのである。私のような老人は文字を記す「記者」だが、キーボードを打つのは記者ではなくて「打者」ではないか。記者から打者に変わって、私には言葉の使い方が雑で、無神経になったような気がしてならない。」
「記者は書いた原稿をデスクに渡すと、どう直されるか、どこを削られるか、緊張してデスクの脇に立っているのが普通だった。デスクに原稿を見られていると、私がどの程度取材したのか、言葉の選び方にどこまで神経を使ったか、まるでレントゲン検査で体の中や頭の中を見透かされているような気がした。現在の打者たちはこういう緊張感を経験しないまま、デスクや編集委員、論説委員になってゆくのだろう。文章が雑になるわけである。こういうことを書いていると、俺は幸せな時代の幸せな記者だったとつくづく思う。」
by 昨日貫之
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- 2018/10/22(月) 12:00:00|
- 日記
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