
私の人生の師、渡部先生の生前に綴った箴言の数々…
「それにしても名曲喫茶の衰退は惜しまれてならない。音響のいい機器が家庭用に開発されて普及したためと言われているが、スペースの点で名曲喫茶は、家庭の居間の比ではない。天井が高く、ステンドグラスから日が差し込み、ゆったり座り心地のいいソファーが置かれている。そこでリラックスして聴く名曲の数々は、まことに体中の細胞の一個一個を生き生きとさせてくれた。」
「それこそクラシックの真髄がわかろうというものだ。西洋の王侯貴族のホールやサロンでの演奏を前提として作られた曲が日本のふつうの家の狭い居間に会うはずがない。食事時ともなると醤油の煮えた匂いが漂ってくるような空間に、モーツアルトやベートーベンは似合わない。三味線や小唄が大ホールに似合わないのと同様だ。」
「名曲喫茶での会話はささやくように低く交わされていた。会話の声の高さは教養と社会階級に反比例する。と英国の「知的生活」の著者ハマトンも言っているが、当時名曲喫茶で静かに目をつぶって思索にふけったり、本を読んだりしていた人たちは、社会階級はともかく、教養を求める人たちであった。直接照明と大音量のBGMと大声での会話によって喧騒の坩堝と化した現代のファーストフード店内と比べて、名曲喫茶が盛んだった時代は、それだけ世の中が教養や思索を求めていたということではないか。私の純粋音楽歴の中で、名曲喫茶が果たした役割は非常に大きい。」
by 昨日貫之
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- 2022/05/23(月) 12:00:00|
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